なぜ士業マーケティングが必須なのか
~営業しなくても顧客から求められるマーケティング手法~
競争の時代に突入
中小企業を支援する専門家を増やす国の方針や、経済的な安定を求める志向によって、有資格者は増加しました。業務独占の規定が緩くなり、取り扱い業務の範囲が増えたことで、他の士業と同じ土俵で仕事を取り合うことも起きています。
資格を取れば仕事になると考える志望者もまだいますが、もうそんな時代ではないことは、既に開業されている先生方には、よくおわかりのことでしょう。既存客を持っているベテランから業務を引き継げる恵まれた人以外は、自分で顧客開拓をしていく能力が欠かせないのが、これからの士業の現実です。
頑張って取った資格を無駄にしないためにも、営業力をつけて、顧客を自分で獲得しなければなりません。
営業ができない職種
しかし、士業は営業が似合う職種ではありません。自ら営業しては報酬単価の低下にもつながりますし、やりたくない仕事も引き受けることになります。またそれ以上に、客が少なくて困っているのなら実力がないのだろうと勘繰られるのも、信用に関わる問題です。
それに、士業は高度専門職という別名があるくらい、ひとつの専門に特化した存在です。本業の知識経験で勝負するのが正統派で、専門性を高める努力を脇に置いて営業に打ち込むことに、抵抗があります。売り込みのうまさではなく、実力で評価されたいと思うのが専門家の心理というものです。
顧客は増やしたいが営業はしたくない。これが士業の本音では無いでしょうか。この矛盾を解決するのが、マーケティングです。
マーケティングはセールスを不要する
優れたマーケティングは、士業の先生の助けを求める顧客を見つけ、つながり、信頼形成し、頼られる流れを作ります。そこには、売りこむ、売りに行く、という行為はどこにもありません。「お願いします」といわれる、士業本来のあり方が、実現できるのです。
どの職種よりも、士業の先生方にこそ、マーケティングが向いていると言えるのです。
士業にふさわしいマーケティングとは
士業の特徴は、商品が属人的である事です。
自動車や電気製品は、工場で作られた、標準化された商品です。典型的な例としてはコーラやマクドナルドが挙げられます。世界のどこでも品質が同じ。買い替えても同じ。
ところが、士業の商品力は、人によって違いがあります。資格の取得要件は同じでしたが、その後は同じ資格でも、専門分野が別れて来ます。クライアント接する態度も、個人の性格や考え方による所が多いですから、顧客によって合う合わないが出るのです。
資格を持っていることだけでは、同業者との差別化になりません。個性を引き立てて顧客とのマッチング高めるのが、士業マーケティングで行なわれるべき事です。
個人ブランディングを強化する
このような「商品の唯一性」があるために、マーケティングに、先生それぞれの特徴を打ち出す個人ブランディングを加えることが、他の業種と異なる特徴になります。
単に「ホームページを作りましょう」という施策では生み出される事のない、個性をふまえたブランド戦略。それが合理的なマーケティング戦略と組み合わされる事によって、見込み客に「この先生がいい!」と言わしめ、ファン化する事ができるのです。
士業マーケティングの主な手段
では、個性を引き立て、ファンを増やすためには、何をしたらいいのでしょうか。
著名な専門家達を例に考えてみましょう。彼ら彼女らが、どのようにして世に知られる事になったか。
お分かりですね。それはマスコミへの「露出度」です。テレビ、雑誌などのメディアに顔や名前が出る事で、莫大な広告費を負担せずに、認知度を高めているのです。
しかし、マスコミへの露出がいくら有効だと言っても、誰でもタレント士業になれるわけではありません。大変な競争率でしょうし、向き不向きもあります。では士業が認知度を高めることは不可能なのでしょうか。
士業こそ個人メディアを持て!
テレビや雑誌への広告費は半減したと言われています。消えた広告費はどこに行ったかといえば、インターネット。ネットメディアに流れています。それだけ、ネットの影響力が高まっているのです。もはやネット集客なくして、事業は成り立ちません。
今や、誰でもメディアが作れる時代。新聞も雑誌もテレビもラジオも、個人が自由に作れるようになっています。これは、費用と時間の壁に阻まれていた個人事業主に、発信の自由が与えられています。
しかも、競合する士業の方々は、まだまだネット集客には慣れていません。まだガラ空きの今だからこそ、個人メディアを作ることで、ファンをがっちり集めてしまう事が可能のなのです。
士業の集客は、発信力。個人でメディアを作る、ネット集客が、士業マーケティングの今の形です。
ホームページ制作の前にしなければならない事
ここで注意すべき点は「今時ホームページくらいなくちゃ」というレベルで考えない事です。ホームページはインターネットを介した顧客とつながりの、ごく一部です。しかも、制作会社がすることは制作だけです。戦略なき制作は危険。とりあえず作ったメディアに、あとから一貫性を持たせるのは困難です。修正の手間もかかり、結果的に費用も増えてしまいます。
制作の前に設計。家を建てる時だって、後からトイレがほしい、やっぱり寝室が必要だったと、バラバラに建てたりはしません。それと同じように、ホームページを作る時には、先にマーケティング計画を立ておくことが必須です。
事業の目標、現状分析、ターゲット設定、顧客の心理、ネットとリアルとの連動、ブランディングなど、あれこれ考慮した上で、全体計画を立ててください。ホームページにどの役割を与えるのか決めた上で、制作段階に進むことができれば、結局は早く良いものが出来上がります。
ホームページは名刺代わりではない
「とにかく作らなくては」と、追われるように作るケースもよくあります。詳しくないのだから、どうしたらいいのかわからなくて当然です。とりあえず名刺代わりになればいい。それも一つの考え方です。人と会う機会が多く、名刺交換から集客できる人であれば、それも立派な集客方法です。
ですが、ホームページから集客ができないかとお考えでしたら、名刺代わりにするのは、大変もったいないことです。ホームページの用途は、はっきりとマーケティングに定めるべきです。もっと正確に言うならば、顧客を導いてくるマーケティングプロセスの一部分として、明確に位置づけるべきです。役割や目的が定まっているから、編集方針も、デザインも、コンテンツも決まるのです。
差別化はどうやるのか
サービス内容は並べた。理念やポリシーも書いた。得意分野も書いた。プロフィールもある。しかし、それは同業者が皆やっていること。それだけでは、ダントツの魅力は見えて来ません。専門家としての確かさは同業者だって頑張っています。他者との違いを作って、顧客にこちらを選ぶ理由を与えてあげないといけないのです。
専門分野の中で、さらに細かい分野で特化する方法もありますが、その場合には同業者に真似できない特異技能を持つことが求められます。しかし、それも顧客数の裏付けがあってこそ。多くの依頼があって、顧客を選べる状態だから、案件を選ぶことができ、特殊な経験を重ねて、特化していけるのです。
将来業務特化するにしても、やはり欲しいのは、顧客数。マーケティングパワーがあって、次があるのです。では、業務特化でもなく、他の先生と差をつけて、顧客に魅力を訴えるにはどうしたらいいでしょうか。
士業マーケティングの中心軸とは
隠さずにお伝えしてしまいましょう。それは、先生自身の魅力です。先生個人のパーソナリティを、魅力として引き出しすこと。それが顧客への訴求ポイントを、最も早く安く、簡単に作れる方法なのです。
自分の魅力は自分ではわからない
残念ながら、自分の魅力を引き出すことは、自分一人では出来ません。自分のことは自分にとっては日常であり、人からどう目を引くか、わからないからです。
先生個人の魅力を引き出すには、コーチング的な関わり方が有効です。傾聴し、質問し、異なる視点から者を見るスキルです。その上に、マーケティングの戦略が立てられるコンサルティング力のあるプロを、選んでください。
当社は、コーチングとコンサルティングの両方を兼ね備えたプロ。集客力を高めたい専門家の、強い味方です。